相続の手続き

*相続の開始

相続は、人の死亡によって開始します。相続とは、亡くなった人が所有していた財産を受け継ぐということです。財産には、プラスの財産である資産だけでなく、マイナスの資産である負債も含まれます。財産を残して亡くなった人を「被相続人」といい、財産を受け継ぐ人を「相続人」といいます。

相続開始の時期は、被相続人が現実に死亡した瞬間であり、相続人がこれを知っていたかどうかは問いません。

なお、失踪宣告によって相続が開始することもあります。失踪宣告とは、行方不明になった人の死亡が証明できず、また、認定死亡(危難に遭遇して生死が不明であるが、死亡が確実なときに戸籍上死亡とみなすこと)とするだけの事実もない場合に、行方不明になったときから7年後に死亡したものとみなしてしまうことをいいます。

*死亡届の提出

人が亡くなると、まず市町村役場へ死亡届を提出します。死亡届を提出しないと火葬や埋葬の許可がとれませんので、必ず提出する必要があります。提出の期限は死亡後7日以内で、医師からもらう死亡診断書の添付が必要です。

*相続手続の始まり

死亡届提出が終わると葬式、そして初七日、四十五日などの法要の手続きを済ませなければなりません。
他方、相続手続も進めなければなりません。
主な相続手続は次の通りです。
①遺言書があるかを調べる・・・・遺言書が発見された場合には、
    遅滞なく家庭裁判所での検認の手続きをします。
②相続放棄・限定承認する・・・・これらの手続は3ヶ月以内
    にしなければなりません。
③所得税の準確定申告をする・・・・期限は4ヵ月以内です。
④相続人を確定する
⑤相続財産を調査する
⑥遺産分割協議をする
⑦生命保険の請求をする
⑧財産の名義を変更する・・・遺産分割協議書があれば、いつでもできます。
⑨相続税の申告をする・・・期限は10ヶ月以内です。


【ワンポイント】

相続手続のうち、まず最初にしなければならないことは、遺言書があるかどうかを調べること、相続財産(とくに負債)の調査です。

相続手続きの流れ