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トピックス

  • 納税猶予


  • 2018年の民法改正で新設された「配偶者居住権」の制度が、4月1日にスタートする。

     納税猶予とは、何らかの事情で期限までに税金を納めることが難しい時に利用できる緩和措置のこと。納期限の延長とは異なり、納付完了までの期間に応じた延滞税などが発生するが、差し押さえからの公売などによる強制的な措置を受けずに済む。新型コロナウイルスの影響によって多くの人が納税困難な状況に陥っていることを踏まえ、様々な要件緩和などが実施、検討されている。

     納税猶予は原則として、本来の期限から1年間となる。それでも納付困難な事情があると認められれば、さらに1年の期間延長も可能だ。 新型コロナウイルスの流行によって現状、猶予期間にかかる延滞税の税率は本則の8.9%から1.6%に減税されている。ただし自民党税制調査会は追加の税特例を検討していて、所得税や法人税、消費税など幅広い税目で延滞税をゼロに、また一定額以上の猶予で必要となる担保も求めない方針で調整している。  なお税金滞納に対する納税緩和制度には、納税の猶予以外にも、換価の猶予、滞納処分の停止といったものがある。

     換価の猶予は、差し押さえられた財産の換価(公売など)を最大2年間猶予し、延滞税の2分の1が免除されるというものだ。  そして滞納処分の停止は、滞納処分を行うと生活が窮迫するときなどに、差し押さえを止める措置となる。

     3つの猶予措置のうち、滞納処分の停止には申請権がないため、納税者が積極的に活用するのは難しい現実がある。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 「消費税は全世代型社会保障改革を進めていく上においては、どうしても必要な税」


  • (3月28日、安倍晋三首相)――記者会見で。

    新型コロナウイルスへの経済対策として消費減税を求める声があることに対して、「若者からお年寄りまで全世代型社会保障改革を進めていく上においては、どうしても必要な税であり、そのために引き上げたところです」と語り、「さまざまな議論が行われていますが、私はなるべく即効性のあるものがいい」として、減税より現金給付が望ましいとの考えを示した。

    その内容については、「ターゲットを置いて思い切った給付を行っていく」「大胆な需要喚起策を講じていきたい」と語るにとどめ、具体策は提示しなかった。また政府の要請に従ってイベントなどを自粛した業者に対しては、「税金で補償することはなかなか難しい」と述べた。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • セーフティネット保証4号


  • 2018年の民法改正で新設された「配偶者居住権」の制度が、4月1日にスタートする。

     セーフティネット保証4号とは、自然災害など突発的な理由によって経営に支障が生じている中小企業に対して、信用保証協会が通常の保証枠とは別枠で借入債務の100%を保証する制度のこと。新型コロナウイルスの流行を受けて政府は3月2日から、全国47都道府県を対象に同制度を発動することを決定した。

     セーフティネット保証4号は通常、自然災害の被災地域などを対象に適用され、直近では昨年の台風19号の被災地に発動されたばかり。今回は理由が自然災害ではなく感染症で、しかも47全都道府県を対象とするのは同制度がスタートしてから初めてのことだ。

     セーフティネット保証4号の対象となる中小企業は、①1年間以上継続して事業を行っていること、②コロナウイルスの流行が原因で、最近1カ月の売上高などが前年同月に比べて2割以上減少していること、③その後2カ月を含む3カ月間の売上高などが前年同期に比べて2割以上減少することが見込まれること――という要件を満たす必要がある。

     信用保証協会が提供する保証の限度額は原則2億8千万円だが、4号では別枠でさらに2億8千万円の融資について100%を保証する。なお、業況が悪化している特定業種を対象とする「セーフティネット保証5号」もあり、4号と併用もできるが、保証枠は同じ枠となるので注意したい。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 「徳井さんは税理士資格を取って復帰すればよかったのに」


  • (2月25日、お笑い芸人のカズレーザーさん)――出演したテレビ番組で。

    自身が代表を務める会社の長年にわたる無申告が昨年明らかになったお笑いコンビ・チュートリアルの徳井義実さんの活動再開について、「もう少しお休みして、その間に税理士の資格を取って帰ってきたらよかったと思いますけど。自分が税理士になって『次はもっとうまくやります』ぐらい、かましてほしかった」とコメントして笑いを誘った。

    徳井さんは昨年10月から活動を休止しているが、所属する吉本興業が2月24日付での活動再開を発表した。

    吉本興業は「(納税について)より日常的に緊密なコミュニケーションを取れる体制とすべく、東京在住の税理士と新たに顧問契約をいたしました」と報告した。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 2つの配偶者居住権


  • 2018年の民法改正で新設された「配偶者居住権」の制度が、4月1日にスタートする。

     配偶者居住権には「長期居住権(正式名称:配偶者居住権)」と「短期居住権(正式名称:配偶者短期居住権)」の2種類があり、それぞれ期間や適用のためのハードルなどが異なる。

     まず長期居住権は、相続財産である家の価値を「所有権」と「居住権」に切り離し、配偶者はそのうち居住権のみを得れば家に住み続けられるようにするという仕組みだ。遺産分割協議で配偶者が自宅を得るとそれだけで法定相続分を満たしてしまい、預貯金といった他の相続財産を十分に取得できない可能性があったため、配偶者の生活を安定させるための仕組みと言える。

     長期居住権は配偶者が将来に死亡するまでの居住を認め、居住権の評価額は、建物の残存耐用年数と配偶者の平均余命を基に算出される。居住権を得るためには遺言などで指定するか、遺産分割協議で合意を得なければいけない。登記も必要だ。

     一方の短期居住権は、登記や合意などは必要なく、配偶者が求めれば認められる法律上の権利だ。①遺産分割終了時、②相続開始から6カ月――のいずれか遅い日まで無償で居住を認める。結果として家や長期居住権を相続できなければ、その間に新たな住居を探して移るという段取りを踏む。短期居住権では登記は必要なく、また配偶者に居住権分の利益があったとして相続税が課されることもない。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 「税金で不法移民に無料の健康保険を提供してやろうとする人間がいる」


  • (2月5日、トランプ米大統領)―― 一般教書演説で。

    自らの医療制度改革への取り組みを自賛した上で、「(民主党の)130人超の議員は税金を使って、無料の健康保険を不法移民に提供することを許す法律を支持している。

    このような法律は不法移民の入国を助長し、米国の納税者に多大な負担を負わせている」と非難した。

    また民主党の左派候補が提唱する国民皆保険制度について「社会主義による、健康保険制度の破壊だ」と批判した。

    これに対して民主党の議員の一部は演説への出席をボイコットしたほか、演説の直後にはペロシ下院議長がトランプ大統領の後ろで演説原稿を破り捨てるなど強い反発姿勢を示した。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 5G税制


  •  5G税制とは、次世代の通信規格である高度情報通信方式へ投資する企業に投資額の最大15%の税額控除などを認める税優遇のこと。2020年度税制改正大綱に盛り込まれた。

     5Gは「5th Generation(第5世代)」の略で、1990年頃に初めて開発されたアナログ携帯電話(1G)、90年代後半に誕生したデジタル通信の携帯電話(2G)、2000年代初頭に国際間で通信規格を統一した大容量データ通信のできる携帯電話(3G)、さらに大容量のデータを高速でやり取りするスマートフォン(4G)に続く、最新の通信規格となる。4Gに比べて100倍の速度でデータをやり取りし、同時大量接続、低遅延などのメリットがある。すでに海外ではサービスを開始しているが、日本では今年春からNTTドコモなどが5Gを使った通信サービスを始める予定だ。

     甘利明自民党税制調査会長は5G税制を大綱に盛り込んだことについて「時代や世界の変化に対応できる結論を出した」と胸を張った。また安倍晋三首相も「5Gは安全保障をはじめ、社会のあらゆる分野で大きな影響力を与える」と重要性を強調した。現時点で海外の通信企業に後れをとっている5G市場に税優遇を与えることで国際競争力を高めたい狙いがあるとみられる。

     もっとも5G税制は20年度税制改正の柱に掲げられてはいるものの税優遇の恩恵にあずかれるのは一部の大企業にとどまる。中小企業にほとんど関係ないのはもちろんのこと、ユーザーとしても利用コストの低減などのメリットがないのが現状だ。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 「消費税は炭素税のような、消費に対する罰金だ」


  • (1月23日、藤井聡京都大学大学院教授)――出演したテレビ番組で。

    消費増税の必要性について、自民党の片山さつき衆議院議員と意見を戦わせた。

    「消費が落ちているのは少子高齢化が原因」と主張する片山氏に対して、「少子化が進んでいるからこそ、一人ひとりの消費を伸ばさなければならない」と反論した。

    その上で、「消費税というのは消費に対する『罰金』。炭素税と一緒です。消費税に消費を減らす機能があることは間違いない」と述べ、景気浮上のためには消費減税が最も効果的だと訴えた。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • ギャンブルの税金


  •  ギャンブルで勝って得たお金は、原則として税法上の「一時所得」として所得税が課される。一時所得は10種類ある所得のうちでも、労務や役務の対価として生じない、つまり運などによる偶発的な収入を指すものだ。

     政府が現在進めているカジノ構想でも、カジノで勝ったお金は一時所得として扱う方針としている。ただし競馬や競輪といった従来のギャンブルと異なる点もあり、競馬などであれば原則として勝ち分の馬券代しか経費として差し引けないのに対し、カジノでは入場時と退場時のチップ枚数をトータルで差し引いて、その差のみを所得として扱うという。特別な扱いをする理由としては、勝敗の全てを把握するのが困難ということがあるようだ。

     なお税法では、まっとうな仕事で得た収入でもギャンブルの儲けでも、さらには犯罪で得た違法な金であっても、同じように税を課す。かつては窃盗や横領などで得た財物には所得税を課さないとする通達があったが、1965年の所得税法の改正に伴い、「適法かどうかは問わない」という規定に改められた。犯罪の内容や状況によって、事業所得や雑所得と認定され、それぞれ課税されることとなる。

     もっとも犯罪で得たお金はもちろん、合法的な公営ギャンブルであっても、その勝ち分を正直に確定申告する人はほとんどいない現状がある。それだけに今回導入するカジノでは、マイナンバーなどを活用して所得を漏れなく捕捉する構えだ。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 「消費税を10年上げないなら社会保障を削らないと」


  • (12月6日、宮沢洋一・自民党税制調査会小委員長)――出演したテレビ番組で。

    10月に10%に引き上げたばかりの消費税について、「社会保障制度の議論のなかで財源問題は避けて通れないし、そのなかに消費税というものが入ってくるのは確か」と述べ、さらなる増税が必要との考えを示した。

    安倍首相が今後10年は再増税の必要がないと発言したことに対しては、「10年上げなかったら社会保障費を削らない限り相当大変なことになる。

    社会保障の水準を今よりかなり落とすということは国民が受け入れるかどうか」と、消費増税と社会保障制度の維持は二者択一だとの持論を展開した。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 寡婦(夫)控除


  •  寡婦(夫)控除は、死別や離婚によって配偶者をなくし、一人で子どもを育てている人などが受けられる所得控除のこと。本人が女性(寡婦)か男性(寡夫)かなどによって、控除を受けるための要件が異なる。

     所得税法上の「寡婦」に当たるのは原則として、夫を死別ないし生死不明の理由で失うか、離婚してひとり身の人だ。生計を一にする子や、その他の扶養親族がいれば控除の対象となる。また扶養親族や子がいなくても、死別か行方不明で本人の所得が500万円以下であれば控除を受けられる。控除額は27万円だ。

     さらに扶養親族である子がいて、本人の所得が500万円以下だと「特別な寡婦」として、控除額が35万円に上乗せされた「特別寡婦控除」を受けられる。

     一方、寡夫控除でも27万円という控除額は女性と同じだが、条件が女性より厳しくなっているのが特徴だ。生計を一にする子がいて、さらに父親の所得が500万円以下である時に限り、控除の適用を認めるルールとなっている。

     現行制度では夫・妻ともに民法上の婚姻関係であることが条件だが、未婚のひとり親が適用を受けられない問題がかねてより指摘されていた。この条件について自民党の甘利明税制調査会長は「税制で手当てする」と述べていて、未婚のひとり親についても同じ優遇を受けられるよう見直す見通しだ。

     一方、男女間の不平等については、女性にも所得制限をかけて差をなくす方向で議論が進んでいる。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 「桜を見る会の問題は税金を使って政治活動をしていたこと」


  • (11月14日、立憲民主党の蓮舫参院議員)――自身のツイッターで。

    安倍首相が自身の支援者約800人以上を「桜を見る会」に招待していた問題について、「(民主党も)桜を見る会を行っていたとか、出席してたでしょとか(言われるが)、つまらない反応」と切り捨てた。

    その上で、「問題は総理の職責、税金を使って安倍晋三衆院議員の政治活動にしていた疑惑に尽きます」と投稿した。

    また立憲民主党の安住淳国対委員長も囲み取材に対して、「首相が何人かを推薦してくるのは当たり前だが、自分の後援会の八百何十人も招待するのは異様ではないか」と述べた。

    首相側は「招待基準があいまい」(菅義偉官房長官)との理由で来年の開催中止を決定している。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 被災地へのふるさと納税


  •  広い地域に甚大な被害をもたらした台風15号や台風19号の被災地に対する、ふるさと納税を通じた支援を行う動きが広がっている。

     台風19号の被災地を支援するために行われた寄付は、「ふるさとチョイス」や「さとふる」などのウェブサイトを経由した分だけで、災害発生から一週間を待たずに1億円を突破している。

     ふるさと納税制度は、任意の自治体に寄付をすると、実質手数料の2千円を除いた全額(上限あり)が住んでいる土地に納める住民税や所得税から差し引かれる。

     ふるさと納税は、ともすれば寄付した自治体から返礼品が送られるという点が注目されがちだが、返礼品はあくまで自治体が寄付金集めのために考えた特典に過ぎない。制度が導入された趣旨は、思い入れのある自治体や育った故郷に税制面から支援を行えるという点だった。

     そもそも2008年に制度が開始した当初はあまり周知されていなかった同制度が一気に知られることとなったのが、11年に発生した東日本大震災だった。

    様々な形で被災地を応援したいと考える人が同制度を利用したことで、制度の利用者は震災前の3倍、寄付額も約2倍へと急増した。その後、16年の熊本地震、同年の糸魚川火災、18年の西日本豪雨などの自然災害を経て、返礼品を求めない寄付によって被災地を支援する動きが定着した。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 「総務省の除外継続の決定は到底受け入れられない」


  • (10月3日、千代松大耕・泉佐野市長)――記者会見で。

    国地方係争処理委員会の勧告を受けたにもかかわらず、「ふるさと納税の審査基準は総務相の裁量に委ねられている」として制度から泉佐野市を除外する決定を維持した総務省に対し、「到底受け入れられない」と不満をあらわにした。

    「次の段階に進むのであれば司法の場になる」とも述べ、今後の対応として高裁への提訴を示唆した。

    除外決定を維持した総務省の判断に対して、東京都の小池百合子都知事も「驚きをもって受け止めた。

    法施行前に遡及して物事を進めると行政が不安定になる」と批判し、大阪府の吉村博文府知事も「今回の決定は総務省のおごり。

    泉佐野を応援していきたい」とコメントするなど、他の地方自治体からも反発の声が上がっている。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 「消費税率10%ではもたない。17%がよい」


  • (9月24日、経済同友会の櫻田謙悟代表幹事)――日本記者クラブでの会見で。

    10%に引き上げられた消費税率について、「10%では(財政が)もたない。17%がよい」と述べ、さらなる増税が必要との認識を示した。

    国の予算の約3割が社会保障に使われている現状を問題視し、財政健全化のために「痛みを伴う改革」を求め、その柱として消費税の増税を挙げた。

    櫻田代表幹事は同月3日の会見では、「心配しなければならないのは消費意欲が伸びていないことだ。将来への不安から消費者が財布の紐を締めている」と話していた。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 従業員の個人事業主化


  •  業員の個人事業主化とは、従業員と結んでいる雇用契約を解除して、個人事業主への請負や委託として業務を依頼すること。会社にとってはコストカットが図れ、社員にとっても働き方の幅が広がるというメリットがある一方で、「偽装請負」として会社に罰則が適用される恐れがあるリスクもある。

     従業員が雇用契約を離れて個人事業主になると、会社にとっては年間数十万円の社会保険料の会社負担分がなくなる。さらに給与と異なり業務委託の外注費には消費税がかかるため、後から消費税分の還付が受け取れるというメリットもある。

     ただし個人事業主は法律によって、①業務に関して一定の専門性があって業務遂行や時間を自己の裁量で管理すること、②交通費や諸経費の負担すること、③個人業として税法上の処理をすること、④委託契約書等を締結すること―といった定義付けがされている。これらの条件は請負で仕事をする大工などが想定されていたものだ。

     フリーランスの働き方が増えた現在では、個人事業主の範囲も広がってはいるものの、仕事内容や業務の流れを考慮して「名ばかりの個人事業主」と判断されてしまえば、様々なペナルティーが科される。過去に遡っての社会保険料の支払いに加え、消費税の還付を受けていれば脱税認定されることもあり得る。従業員の個人事業主化はくれぐれも慎重に検討したい。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 「グーグルの税金の支払いは歴史的合意だ」


  • (9月12日、ダルマナン仏会計相)――グーグルとフランス当局の合意を受けて。

    法人税率の低いアイルランドに欧州本部を置くグーグルが、16億ユーロ相当の税金を逃れたとしてフランス税務当局の調査を受けていた問題で、グーグルが罰金と追加納税として約10億ユーロ(約1200億円相当)を支払うことで合意した。

    同じEU圏内のイタリアや英国と結んだ合意を上回る支払い額となったことを受け、ダルマナン会計相は「歴史的合意だ」と評価した。

    グーグルは合意を受け、「世界的企業に明確な納税の仕組みを提供するには、国際的な課税制度を作ることが最善の方法だ」とコメントした。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 相続の熟慮期間


  •  相続の熟慮期間とは、相続人が遺産を引き継ぐかどうかを選べる3カ月の猶予期間のこと。

     相続が発生した時、相続人には3つの選択肢がある。①借金などマイナスの財産も含めて全てを相続する「単純承認」、②相続財産をまったく引き継がない「相続放棄」、③引き継ぐプラスの財産の範囲内でのみマイナスの財産も引き継ぐ「限定承認」――となる。このうち限定承認は、相続財産の全容が不明で、プラスとマイナスのどちらが多くなるか分からない時などに選ばれる。

     相続放棄か限定承認を選ぶなら、相続人は相続の発生を知った時から3カ月以内に、裁判所に申し立てをする必要がある。手続きを忘れたり間に合わなかったりすると、自動的に単純承認を選んだことになり、借金などもすべて引き継がれる。

     この熟慮期間について民法では、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3カ月以内」と定めている。そのため、3カ月が経過してから借金の存在を把握した相続人がそこから相続放棄や限定承認を選び直したくても、原則として不可能というのが通説だった。

     しかし8月9日に最高裁は、熟慮期間は債務の存在を把握した日に始まるとの初判断を示した。知らぬ間に借金を背負ってしまった相続人に救済策が示された形だ。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 「結果的に脱税になったのは事実」


  • ((5月10日、三崎優太被告)―自身の初公判で。

    「青汁王子」と呼ばれインターネット通販で業績を伸ばしたが、架空の広告費を計上するなどの手口で法人税など約1億8千万円を脱税した罪に問われた。
    検察官に起訴内容を読み上げられると、「結果的にそうなったのは事実です」と認めた。公判後には12年間務めてきた代表取締役を辞任する意向を明らかにし、「地べたに這いつくばる覚悟で人に頭を下げ、もう一度やり直していきたい」とコメントした。
    同被告は過去に受けたインタビュー取材で、「税金を納めても称賛されることがない。富裕層が海外に逃げるのは合理的な選択だ」と発言していた。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 消費税の経過措置


  •  消費税の経過措置とは、今年10月1日に消費税率が10%に引き上げられた後も、一定の要件を満たした商取引については増税前の8%税率を適用する措置のこと。契約締結の時期と実際の引き渡しの時期が開く住宅などに適用される。

     10月に予定されている消費増税では、資産の譲渡が増税前日の9月30日までに行われたか10月1日以後に行われたかで異なる税率による税務処理が必要となる。しかし経過措置によって、一部の取引については実際に取引が行われたのが10月以後であっても契約日などによって8%が適用される。

     経過措置が適用される取引は住宅や工場などの請負工事のほか、旅客運賃、美術館や遊園地などの入場料、電気料金、書籍の予約販売、通信販売などが該当する。それぞれ実際にサービスを提供した時期や資産譲渡のタイミングによって、経過措置を適用できるかが判断される。

     例えば注文住宅の請負工事であれば、今年3月末までに契約したものであれば、実際の完成と引き渡しが来年にずれ込んでも8%の消費税が適用される。

     注意したいのは、経過措置が設けられている取引については、8%と10%のどちらかの税率を選んで税務処理を行うのではなく、必ず経過措置が適用されるということだ。10%の仕入税額控除としたほうが還付を多く受けられるからといって、新税率で処理をすることは認められない。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 「車の税制は複雑過ぎて、販売スタッフが説明できない」


  • (1月7日、豊田章男・トヨタ社長)―業界の新年賀詞交歓会のあいさつで。

    2019年度税制改正で自動車税の恒久減税が盛り込まれたことに対して「史上初となる恒久減税のご決断をいただいたことへお礼を申し上げたい」と評価しながらも、「1300億円の減税が多いのか少ないのか。ただ依然として世界一のレベルにあることに変わりはない」と満足していない様子をのぞかせた。
    その上で「販売スタッフが簡単に説明できない複雑さも変わっていない」と述べ、税制の複雑さや負担の重さによる車離れが進めば「われわれが税金を払える産業でなくなってしまうという危機感さえある」として、税制面から車を取り巻く環境を変えて欲しいと訴えた。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 欠格条項


  •  欠格条項とは、士業資格を取得したり法人役員に就任したり、また公務員となることができない条件のこと。国家公務委員法や会社法、税理士法など、それぞれの法律で定められている。この欠格条項の一部を削除する新法が今国会で成立する見通しだ。  会社法の331条では、「次に掲げる者は、取締役になることができない」条件として、①法人、②成年被後見人や被保佐人、③罪を犯して刑を受けてから一定期間が経過していないもの―などを挙げている。また士業資格では、例えば税理士法4条では未成年者、成年被後見人、破産者で復権を受けていない者などは資格を取得できないと定めている。士業法や会社法だけでなく、各業種の許認可など、欠格条項は様々な法律に置かれている。  5月17日に衆院を通過した「成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律案」では、188の法律で規定されている被後見人と被保佐人の欠格条項を削除する内容が盛り込まれた。判断能力に不安があるからといって一律に排除するのは人権侵害という考えの高まりによるものだ。  新法は今国会で成立する見通しで、早ければ今年中にも施行されるという。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 「増税延期でも必ずしも信は問わない」


  • (5月24日、安倍晋三首相)―衆院厚生労働委員会の答弁で。

    国民民主党の玉木雄一郎代表から、リーマン・ショック級の事態が起きた時の対応を問われて「その時に適切に判断したい」と述べるにとどめた。
    仮にそうなった時に改めて選挙で国民の信を問うのかとの質問に対しては、「必ずしも国民の信を問うことは考えていない」と答え、増税延期の判断と衆院解散は直結しないとの考えを示した。
    景気の現状認識については「雇用、所得環境の改善など内需を支える基礎的条件はしっかりしている」として、景気が後退局面に入っているとの見方を否定した。
    これらの答弁に対し、玉木氏は「増税を先送りすることになれば政権の責任なので、総辞職すべきだ」と指摘した。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 地積規模の大きな宅地(旧・広大地)

  •  「地積規模の大きな宅地」とは、相続税法で規定された税優遇を受けられる、一定以上の広さを持つ土地のこと。2018年度税制改正で抜本的に見直され、それまでの「広大地」から名称も改められた。  広い土地を開発して住宅地を作る時は、道路や公園などを作ることが法律で求められ、土地のすべてを売り物にできるわけではない。そのため税法では、一定以上の広さの土地は、相続や贈与などの際に評価額を広さに応じて減額することが可能だ。  税優遇を受けられるのは、三大都市圏なら500㎡以上、それ以外なら1千㎡以上ある土地だ。その他、路線価地域であれば普通住宅地区もしくは普通商業・併用住宅地区にあることや、大規模工業用地に該当しないことなどの要件を満たせば、その大きさに応じて2~3割の評価額の軽減を受けることができる。  18年度改正前の旧ルールでは、減額幅を単純に面積に比例して計算していたが、いびつな形で使い勝手が悪い土地と、四角く使い勝手の良い土地の実売価格に差額が出ることを考慮し、形状など土地の〝個性〟に応じた補正率を加味して減額率を算出することとなった。いびつで使い勝手の悪い土地は、減額幅が大きくなったわけだ。  相続税対策を講じる上では、地積規模の大きな宅地の特例のような税優遇を活用することが重要だろう。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 「短期的な損失が年金給付に影響を与えることはない」

  • (2月1日、西村康稔官房副長官)―定例会見で。

    国民が積み立てた年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、昨年10月~12月期に過去最大となる約15兆円の赤字を出したことについて、「年末にかけての株価や為替の変動で国内外株式の運用状況が特に悪化した」と原因を説明した上で、「年金積立金の運用は長期的な視点で行うもので、評価額の短期的な増減に過度にとらわれるべきではない」と述べた。
    2014年10月に運用に占める株式の割合を大幅に増やしたことによって「年金財政上、必要な収益はこれまでの運用で十分確保している」として、「今回の短期的な運用結果が年金給付に影響を与えることはない」と運用方針の継続を強調した。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 消費税の不正還付

  •  消費税の不正還付とは、支払税額と受取税額の差額を納める消費税の仕組みを悪用し、支払った消費税を実際より多く見せることで還付金を受け取る脱税行為のこと。
     消費税の納付は、仕入れなどで支払った消費税額から顧客などから受け取った消費税額を差し引いて、受け取った分のほうが多ければ差額を納税し、支払った分のほうが多ければ差額の還付を受けられる仕組みになっている。そのため架空の外注費や仕入れを計上して支払い分を増やせば、消費税を納めるどころかお金を受け取れることになる。
     消費税の税率が高いほど〝利ザヤ〟も大きくなる傾向にあるため、不正還付による消費税脱税は増加傾向にある。国税庁によれば消費税の追徴税額は、5年前の1.5倍に増えているという。
     特に最近目立つのが、自社で働く従業員を「外注」扱いし、給与ではなく外注費として報酬を支払う事例だ。賃金には消費税が発生しない一方で外注費には消費税が発生するため、支払消費税を上積みすることができ、納付する税額が圧縮されるというわけだ。また従業員なら会社にも負担が発生する社会保険料も、外注なら払う必要がないため、会社の経費を削減する方法として、見せかけの外注を行う会社も増えているようだ。
     また金の売買に伴い、本来なら税関で支払うべき消費税を密輸によって免れ、国内で売却して消費税分を受け取るという脱税スキームも近年激増していて、国は対策に追われている。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 「悪名高き消費税増税が実施される」

  •  (1月18日、小浜裕正・カスミ会長)―日本チェーンストア協会の新年祝賀会で。

     今年10月に予定される10%への消費税率引き上げについて、「悪名高き消費税増税が実施される」とした上で、「軽減税率やプレミアム商品券、ポイント還元といった増税対策に、その増税で得た税収が消えていく。何のための増税か分からない」と痛烈に批判した。

     その上で「悪法といえども法なので何とか努力はするが、全てを解決する見通しは立たない」と政府への不満を隠さなかった。

     その後、軽減税率導入を主導した公明党の斉藤鉄夫幹事長が「皆さんの声を聞きながら改善したい」と挨拶したが、拍手はまばらだった。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • シャウプ勧告

  •  シャウプ勧告とは、第二次世界大戦終結後の日本にふさわしい税制を構築するためにアメリカ合衆国の税法学者であるカール・シャウプを団長とする使節団が提示した、税制全般にわたる原案のこと。1949年に作成され、今年が70年の節目に当たる。

     戦前の日本の税制は、税務当局が税額などを算定し、それに従って納税者が納めるという賦課課税方式を原則としていた。終戦に伴いGHQ(連合国最高司令官総司令部)によって申告納税制度が取り入れられたが、所得の捕捉など難しい面もあり、実務としては賦課課税の要素を多分に含んだものだった。

     そこで税制を抜本的に改正するため、米国から招かれたシャウプ博士は日本の税務行政の現場を見て回り、国と納税者の相互信頼に基づく申告納税制度の構築を提唱した。

     記帳の義務化や応能負担の原則などを盛り込んだシャウプ勧告は「簡素・公正・中立」を旨とし、特に所得税を税収の柱とすることや政策実現目的での税制を厳に戒めたシンプルさを特徴として50年税制改正で実現した。

     しかしその後、さほど間を置かず所得税、法人税、相続税など各税で大掛かりな見直しが施され、シャウプ勧告が禁じていた租税特別措置が次々に導入されて現在まで続くことになる。

     さらに今年10月の増税によって消費税が所得税を上回り税収のトップに立つ見通しであるなど、シャウプ勧告の理念は完全に失われつつあるといえる。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 「問題発言をした国会議員に数百万円の税金が払われている」

  • (6月5日、坪井直樹アナウンサー)―メインキャスターを務める番組で。

    金融庁が「年金以外に2000万円の老後資産が必要」との試算を発表したことに対し、「息子が先日20歳になって年金を納め始め、自分も30年近く払い続けている。

    (にもかかわらず)年金に頼るなと言ってるようなもので、朝から怒りたくないですけど、金融庁の話には本当にがっかり」と失望をあらわにした。さらに「戦争発言をした丸山穂高議員は責任を取らずに2カ月休んで、この間も給料やボーナスが何百万円と税金から支払われている。それでも私たちは働いて税金を納めているんです。

    707人の国会議員は何のためにいるんですか」と声を荒げて行政を批判した。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 「税の申告はすべて税理士に任せていた」

  • 6月5日、CoCo壱番屋創業者の宗次徳二氏)―朝日新聞の取材に対して。

    自身の資産管理会社が保有していたバイオリンの名器「ストラディバリウス」を巡る税務処理の誤りについて、「申告はすべて税理士に任せていたが、私自身も考えが甘かった」と反省の弁を述べた。

    同氏は、ストラディバリウスのような歴史的な価値のある楽器には認められていない減価償却処理を約30丁について行い、約20億円の申告漏れがあった。

    当時の顧問税理士から「貸与して事業活動として使用していれば、一般的な楽器のように減価償却ができる」と説明されたという。

    (税理士新聞より引用)

     

     

  • 「われわれは脱税できない世界に近付いている」

  • (6月8日、アンヘル・グリアOECD事務総長)―国際租税に関するシンポジウムで。

    経済協力開発機構(OECD)による調査で、個人や企業が本国以外に置くオフショア口座が4700万あり、その総額が約4兆9000億ユーロ(約600兆円)に上ると発表した。

    またOECDが主導する情報交換システムよって、2009~19年の10年間に計950億ユーロの税金や利息を得たことも明らかにし、「租税回避をしようにも、もはや隠れる場所はなくなった」と成果を強調した。

    同日に開幕したG20財務相・中央銀行総裁会議でも国境を超えた課税ルールの見直しが進められていることを踏まえ、「われわれは脱税できない世界に確実に近付いている」と胸を張った。

    (税理士新聞より引用)